リフォームコラム

窓枠交換を考えるなら!費用とタイミングとお得な補助金まで完全ガイド

快適で安全な住まいを求める、実用的な家主の方へ。
住宅の維持管理を重視し、損傷や老朽化に対処したいと考えているあなたに、窓枠交換のタイミングと適切な費用計画をご提案します。
住宅の状態保全とコスト管理の両立をサポートいたしますので、ぜひ参考にしてください。

□窓やサッシ交換の最適タイミング

窓やサッシの寿命は、使用している素材によって異なりますが、一般的に20〜30年と言われています。
長年使用した窓・サッシは、以下のような症状が現れることがあります。

1:窓ガラスのひび割れ


網入りガラスなどでは、内部の金属の劣化によってひび割れが発生しやすくなります。
また、日光による熱膨張と、日陰部分との温度差で熱割れを起こすこともあります。
ひびの放置は、衝撃で窓ガラスが割れる事故リスクにつながるため、早期の交換が推奨されます。

2:サッシの腐食やサビによる劣化


腐食やサビが進行したサッシは、窓の開閉に支障をきたし、すき間風の侵入を招きます。
断熱性、気密性、遮音性の低下につながるため、劣化が見られたらサッシの交換を検討しましょう。
放置すると、窓ガラスの破損やサッシの変形で開閉不能になるリスクもあります。

3:結露とカビの発生


深刻な結露やカビの発生、窓周りの冷えは、窓ガラスとサッシの性能不足のサインかもしれません。
特にカビは健康被害の原因にもなり得るため、対策が必要です。
高断熱・高遮熱の最新窓ガラスとサッシへの交換で、結露やカビの発生を抑え、お手入れも楽になるでしょう。

□窓枠交換の費用と方法

窓・サッシ交換の施工方法には、「はつり工法」と「カバー工法」の2種類があり、費用や適した状況が異なります。

1:はつり工法


サッシ周囲を切断して既存サッシを撤去し、新サッシを取り付ける工法です。
窓サイズやタイプの変更、雨戸の取り付けなどに適しています。
もとの窓と同サイズの開口部が確保できる一方、壁を壊す大規模工事となるため、費用は比較的高めです。

・一般的な窓ガラスの場合
120×170cmの腰高窓:約4万円(窓本体+工事費)
180×170cmの掃き出し窓:約5万円(窓本体+工事費)
・防犯用窓ガラスの場合
120×170cmの腰高窓:約5.5万円(窓本体+工事費)
180×170cmの掃き出し窓:約7万円(窓本体+工事費)
・遮熱用窓ガラスの場合
120×170cmの腰高窓:約9万円(窓本体+工事費)
180×170cmの掃き出し窓:約12万円(窓本体+工事費)

2:カバー工法


既存サッシの上から新サッシを被せる工法で、壁を壊さずに施工できるため、工期が短く費用も抑えられます。
ただし、窓の内寸が若干小さくなるデメリットがあります。
窓の大きさを変更せず、断熱性や気密性の向上を目的とする場合に適しています。

カバー工法の費用は、窓の種類とサイズによって算出されます。

【窓(2枚で1組)の単価 × 窓の数 + 工事費用】
実際には、現状のサッシの状態や、選ぶ窓ガラス・サッシの性能によって価格が変動します。

基本的には、はつり工法の方が窓の性能アップ効果は高いですが、工事の手間と費用もかかります。
一方、カバー工法は手軽に窓の断熱性や気密性を高められますが、開口部が小さくなることは考慮しましょう。
窓の状態や目的、予算に合わせて、最適な工法を選択することが肝要です。

□補助金と減税でお得にリフォーム

窓・サッシリフォームには、一定条件を満たせば補助金や減税の適用を受けられます。
多額の出費となるリフォームでは、これらの制度の活用がおすすめです。

1:所得税の減税「省エネリフォーム減税」


全居室の全ての窓を断熱化するリフォームで、一定の省エネ性能を達成すると、所得税の減税対象となります。
リフォーム費用を一括払いでもローン利用でも適用可能です。

さらに、床・天井・壁の断熱改修、太陽光発電設備の設置、高効率空調機・給湯器・太陽熱利用システムの設置を併せて行う場合も、減税の対象に含まれます(ただしローン利用の場合は太陽光発電設備の設置のみ対象)。

減税の条件は、省エネ改修部位が全て2013年省エネ基準相当に適合することです。
対象工事の減税対象額は補助金を除き50〜250万円(太陽光発電搭載の場合は350万円)で、控除額は10%(限度超過分は5%)となっています。

2:固定資産税の減額


所得税減税の対象となる省エネリフォーム工事では、固定資産税の減額も受けられます。
所得税減税との併用が可能です。
対象工事は所得税減税とほぼ同様ですが、以下の条件を満たす必要があります。

・平成20年1月1日以前から存在する住宅
・工事後の床面積が50〜280㎡
・工事費が50万円超
該当すれば、リフォーム完了年の翌年度分の固定資産税が2分の1に減額されます(120㎡相当分まで)。

省エネ性能の高い窓・サッシへの交換は、快適性の向上だけでなく、税制上のメリットも期待できます。
自宅の状況に合わせて、補助金・減税制度を上手に活用し、お得にリフォームを実現しましょう。
申請には必要書類の準備などが求められるため、早めに情報収集することをおすすめします。

□まとめ

本記事では、窓・サッシ枠交換の最適なタイミングと、リフォームの費用・方法について解説しました。
築20〜30年を迎える住宅では、窓ガラスのひび割れ、サッシの腐食・サビ、結露・カビの発生などの症状が見られたら、窓枠交換を検討するのがよいでしょう。

工法は、はつり工法とカバー工法の2種類があり、窓の状態や目的、予算に合わせて選択します。
はつり工法は窓性能の大幅な向上が見込めますが、費用は高め。
カバー工法は手軽で安価ですが、窓の内寸が小さくなります。

また、省エネ性能の高い窓・サッシへの交換工事では、所得税減税や固定資産税減額の適用を受けられる可能性があります。
これらの制度を賢く活用し、快適で安全、そしてお得な窓・サッシリフォームを実現してください。